フランス発の小型高級SUV、DS3 クロスバックの超個性的スタイルは日本で成功するか?
掲載 更新 carview! 文:河口 まなぶ/写真:DSオートモビル
掲載 更新 carview! 文:河口 まなぶ/写真:DSオートモビル
じゃあ実際に走りはどうなのか? という部分だが、ここでも驚きは続く。というのも先に記した通り、このモデルは新世代プラットフォームであるCMPの第一弾である。その実力は相当だと感じるポテンシャルの高さに裏打ちされた走りがあった。
まず静粛性の高さが光る。僕は先週、同じBセグのコンパクトSUVである「VW Tクロス」を試乗して、これも静粛性が高いと評価したが、DS3 クロスバックはそれを上回る。特に排気量こそ違えど同じ3気筒ターボを搭載するが、DS3 クロスバックでは3気筒特有のガサついたエンジン音はほぼカットされ、ロードノイズも抑えられている。同じBセグでもVWとは異なる“プレミアム”を謳うだけある。
走りのポテンシャルも高く、ハンドリングと乗り心地が高いレベルで両立されている。試乗車はこのクラスにしては大きめの18インチタイヤを履くが、それを履きこなすだけのサスペンションに仕上がっていた。路面からの入力は強めだが、それを素早く減衰させて振動を残さないいなし方はさすがだ。時折、路面によっては細かなザラつきが入ってくるが、これも今までのBセグのレベルからは大きく改善している。
ハンドリングは意のままで、操作に対してボディが軽やかに動く辺りがフランス流だが、プジョーともシトロエンとも違うテイストがそこには確実にある。身のこなしの軽さは共通だが、動きにDSならではの落ち着いたフィーリングが加わって、より大人っぽい乗り味走り味があるのだ。我々がまだ未知のフランス流ラグジュアリーを走りで表現しようとする意思を感じる。
パワーユニットは1.2Lの3気筒ターボで、最高出力は130ps、最大トルクは230Nmとスペック的には「プレミアム?」と思わされるが、新採用のアイシン製8速ATが、低回転で最大トルクを発生する3気筒ターボの特性を活かし、矢継ぎ早のシフトアップで低回転を維持しつつ伸びやかな加速を実現している。
流石に全開加速では物足りなさが出てくるし、現代の小排気量直噴ターボにサウンドや回転フィールまでは望めない、というのが本音ではある。が、普段乗りで不満を感じるシーンはほぼないだろう。
先進性に関してもキッチリと勝負した感がある。ADAS(先進運転支援システム)系は充実しており、ハンドル制御を含むレーンキープアシストでは、車線が見えづらいところでも、もう一方の車線を基準にアシストする制御も備わる。DS LEDビジョンと名付けられたヘッドライトはオートでハイビームをコントロールする機能も備えている。
総じて隙のないプロダクトという印象で、何よりCMPプラットフォームの実力の高さを感じる。
今回はEVのプロトタイプにも低速オンリーのクローズドコースで味見程度の試乗をしたが、「日産 リーフ」のようなワンペダルドライブなどの特別なロジックや機能はなく、純粋に内燃機関をモーターとバッテリーに置き換えたシンプルな走りを見せた。これは欧州で多くのユーザーが初めてEVに触れることを想定してのことで、ふだん使いで違和感のない、良い意味で普通の走りを作り込んだからでもある。本格的に試乗できる機会が楽しみだ。
ログインしてコメントを書く
複数社の査定額を比較して愛車の最高額を調べよう!
愛車を賢く売却して、購入資金にしませんか?
複数社の査定額を比較して愛車の最高額を調べよう!
愛車を賢く売却して、購入資金にしませんか?
夢のように走った「RR」 3台のワークス・シュコダ 130/フェイバリット/120 ラピッド(2) クラス優勝の常連
東欧の「ポルシェ」 刺激的だった廉価ブランドのRR シュコダ130/フェイバリット/120 ラピッド(1)
あまり重いと走行不可能! 重い積み荷の巨大トラックは「何トン」まで公道を普通に走ってOK?
ホンダが認証不正で会見 対象車種の累計販売は325万台 「遵法性の意識に大きな問題」
“カツカレー”のようなクルマの進化──新型BMW X6 xDrive 35d M Sport試乗記
新デザインになった「ゆるキャン△ピングカー」イベント展示とオフィシャルグッズ販売が決定!
エステバン・オコン、今季限りでアルピーヌを離脱「次の計画はすぐに発表する」
ルノー「カングー」でこだわりの趣味を満喫!最長1年間貸与のモニターキャンペーン第3弾
シボレー「コルベット E-RAY」発表 史上初の電動化&AWD車 加速性能は歴代最速に
ホンダ、新エアロにより最高速は向上も残る課題。新エンジン投入はサマーブレイク後の見込み/第7戦イタリアGP
ザ・ニッポンの高級車の進化──新型トヨタ・クラウン・クロスオーバー試乗記
トヨタの豊田章男会長、不正発覚で陳謝 「間違いをした時は一度立ち止まる」 認証プロセス管理の仕組みは年内に構築
ステップワゴン、ZR-Vなど4車種が価格改定 原材料価格と物流費が影響
【販売店も確信】次期「デリカD:5」やはり開発中。独自ボディとPHEV化で「デリカD:6」を名乗る?
“想定外”が頻発する耐久の現場。技術開発に留まらない、トヨタが水素で挑戦するワケ【S耐富士24hレース】
【そもそも買えるの?】ランクル300と250、レクサスLXとGX。“最強に買い”なモデルとは
【228万円】一番安いのに装備が充実…? 「マツダ3 ファストバック 15S」はアリかナシか
売れてる軽EV「サクラ」がライラック×黒の乙女系2トーン追加や仕様向上。価格は約4~5万円上昇
こっちが本命? ノートクロスオーバーがデザイン一新。タフ感強調で本家よりアリかも…?
【電動ツインブースト!】新型「911」の目玉はハイブリ搭載「GTS」。加速が大幅進化の理由
ヒロミ絶賛の乗り心地、電動トノカバー高すぎ!? 発売から3ヶ月経ったトライトンのユーザー評価は?